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コラム NHK大河ドラマ天地人 羽柴秀次の自刃


 
戦国時代の武将は、名もない土豪から血みどろの苦闘と苦難の末に一国一城の主に成り上がったから個人的な力量は部下よりも抜きんでて優れていることが多い。
また、部下ができることはなんでもできるだけでなく、それ以上に優れていなければ部下の信望をつないで戦場で死力を尽くして働かせることができなかったのだ。
江戸時代の温室育ちの将軍や大名とは全く異なるところであるが、羽柴秀次は叔父(秀吉)の七光りのおかげで大出世したようなものであるから苦労の足りない殿様育ちであったことは事実かもしれない。

確かに羽柴秀次は優秀な人物ではなかったかもしれないが、しかし史料や風評などに伝えられるような悪行があったのかどうかは実のところ疑わしい。
 
 秀次は栄華を極めて奢侈に溺れ、妻妾にいたっては三十余人の多きにのぼる有様で、故池田勝入斎の娘を正室とした外に菊亭晴季(当時右大臣)の息女で以前に夫を亡くした未亡人を正室同然のように迎え入れ、さらには先夫との間に生まれたその娘をも溺愛し、母子ともに一時に寵愛したということから「畜生関白」と京の人々に罵倒されたと云われる。
また、むやみやたらに人を手討ちにしたり、夜な夜な城を抜け出して辻斬りをしたという評判から「殺生関白」との風評もある。これは俳句の「摂政(せっしょう)関白」にかけている。
さらに、秀次は密かに諸大名に財貨を貸し与えて恩を売り、用もないのに諸候と徒党を組んで武器・兵卒を数多く集めて謀叛を企てているという風評までが飛び交い、これが切腹に追い込まれた原因とする説まである。
 
 しかし、戦国時代の史伝や人物伝を読んでいて気づくことは、時の有力者が失脚させられる原因がいつもこのパターンなのだ。

 手討ち・辻斬り、酒乱の女狂いと乱倫、そして謀叛の策動が常套手段なのである。徳川信康(家康の長男)・武田義信と勝頼(改正三河後風土記の批評)など、他にも探せばいくらでもたくさんあるはずだ。
性質と素行について辛辣と思えるほどに言及し、悪い面は異常に感じるほどに誇大に表現し、良い面に関しては全く無視するかのように黙殺を決め込んでいるのである。

また、当時の大名は一夫多妻である。正室と妾の明確な区別はあったようであるが、正室と側室の区別はまだまだ曖昧であったという時代背景があるのだ。もちろん嫡妻はいるのだが、当時の大名は妻を何人でも持てたのである。
実際、厳密に調べれば秀吉・家康は妻妾を数えきれないほどに持っていたし、通常の大名家でも妻妾が十数人いても普通のことだったのである。
羽柴秀次は秀吉の後継者であり、いずれは天下を総覧するという上流階級の実質的な最上位にいた人物であるから妻妾の数うんぬんで批難するのもいかがなものか。秀次の母娘の一時の寵愛などにいたっては後世のオマケであろう。こんなことは事実として確かめようがなかったはずだから、これはつまらない俗説に違いないのである。

 秀次は暗愚な人物ではなく、良き書物を収集して勉学に励んだり、良書を朝廷に献上したりするなど好学な面もあったのである。朝廷に金銀を献上したり、財政難に窮した諸大名に金を貸し付けたのは内政を司る者として当然のことであり、秀次は時の為政者としての責務を果たしていたともいえるのだ。                   

 
 まことに残念なことであるが、この頃の秀吉はかなり耄碌していたと断じざるを得ない。
 
 ドラマでも放映されたが、秀次の高野山への追放、その切腹を石田三成の策動によるという説もあるが、しかしこれは独裁政権下での秀吉の命令に他ならないのである。武功夜話という史料によれば石田三成は秀次の無罪を主張していたと記載している。
 豊臣家の安泰を願うならば秀次が秀頼の後見役となって政務を司るように従わせるという方策もあったはずなのだ。しかし秀吉は秀次を懐柔するわけでもなく、縷言飛語が飛びかうを放置し、あげくの果てには秀次を自害に追込んでいるから、これは我が子(秀頼)かわいさによる確信犯の所業であったといってよい。
秀次の妻妾を惨殺して犬猫の死骸を捨てるかのように埋めて畜生塚と称されるまでに至っては、もはや昔日の藤吉郎の姿ではないのである。

 ちなみにドラマでは、秀吉が直江兼続に秀次の血筋を根絶やしにする為に妻妾その子全てを斬殺したと言っていたが、あれはウソで皆殺しにしたわけではない。
池田恒興(勝入斎)の娘で正室の若御前は助命されて兄の池田輝政の元に送り返されているし、後年の真田信繁の側室である隆精院も難を逃れている。秀次と小督の局との娘であるお菊(生後間もない幼児だったようである。)も許され、梅小路家に嫁いだ秀次の娘も助命されている。もっと詳しく調べれば他にも何人かいるかもしれない。


 現代医学の所見によれば、老化が進行して耄碌すると動脈硬化の傾向が顕著になって直情経口となり、判断の善し悪しに関係なく一時の感情に流されて決断するようになって激情に振り回されるようになるそうである。

 しかし、ある時に昔の冴えが蘇ってきて、事の次第に呆然とし、まるで別人のように正反対のことを言い出して決断が曖昧になることが多いという。秀次の一部の親族が助かったのも、こんなところにも理由があるのかもしれない。

著者HP http://7daiyamonde.blog60.fc2.com/
メールアドレス hokenpuro@yahoo.co.jp

テーマ:歴史小説 - ジャンル:小説・文学

【2009/08/22 04:43】 | 未分類
不如帰 ~戦国武将の幻影~


Ⅰ<覇王編>~逆賊 織田信長を討て!~  Ⅱ<争覇編>~織田家簒奪!秀吉の野望~

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