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Ⅲ 賤ヶ岳の衝撃


 さて、こうして、いつのまにか秀吉の主力部隊に厳重に攻囲された佐久間盛政は、闇夜にこつ然と姿を現した無数の大かがり火にぐるりと取り囲まれ、山々の草木を照らし尽くすがごとく、強烈に光り輝くその光景をまのあたりに見てがく然とし、放心する。

 まったく信じられない情景であり、とんでもない緊急事態であった。

 佐久間盛政は驚き慌てながらも早急に払暁までには撤退にかかるが、羽柴勢の四方八方からの総攻撃を受けて大損害を被る。

この急報を聞いて駆けつけた柴田方の柴田勝政が羽柴勢に突入し、後方から佐久間勢をしきりに援護するが、羽柴勢の怒濤の猛進撃に押し潰され、その部隊はやがて消滅し、柴田勝政はあえなく敗死した。


 この戦況を遠望する柴田方の諸将は、苦戦する佐久間盛政勢を後方支援すべきかどうかを決断しかねて、早急に勝家の本陣に急使を飛ばし、その指示を仰ぎ急いで待機していたのであるが、柴田方に加担していた前田利家の率いる軍勢が突如として、早々と旗を巻いて戦線から離脱し始めたのである。
しかも、その敗走ぶりがしどろもどろの体たらくぶりで、まるで痛烈に撃破されて遁走しているかのような逃げっぷりだったから堪らない。
この前田勢の不可解な敗走ぶりが柴田方の諸将をいっせいに疑心暗鬼に陥らせ、全軍を動揺させ、やがて戦線を離脱する武将たちが続出し、柴田勢はたちまち全軍総崩れと成り果てた。



 このとんでもない意外な結末に、勝家は切歯扼腕して、
「盛政めが!首を刎ねてもあきたらん!」と、怒声を放ち、あくまでも出撃を強行して秀吉との有無の決戦を言い張るが、側近の毛受家照に強く諫められ、その地に憤懣を残して越前北ノ庄をめざして落ち急いだ。

 一方、孤立無援の佐久間盛政は壮絶な死闘を繰り広げていたが、援軍来たらず、その兵力も続かず、勇敢に奮戦するも乱戦の最中に生け捕られてしまった。

 
 
 ところで、この戦いにおける賤ヶ岳の七本槍(福島正則・加藤嘉明・平野長泰・糟屋武則・脇坂安治・片桐且元・加藤清正)は実に有名であるが、この雌雄を決する戦いは、秀吉子飼いの武将たちをデビューさせるのにもってこいの晴れ舞台でもあったから、彼らの評判が世間に広く知れ渡り、諸大名の彼らに対する評価も高くなることを狙って秀吉が大いに宣伝したのであろう。
 小豆坂の七本槍とか、上田の七本槍とか、なんとかの七本槍というのは当時の宣伝文句であったといってよいのである。

 ちなみに真田十勇士とか、尼子十勇士とか、なんとか十勇士というのは、後年の江戸時代に流行した講釈師の講談の影響が色濃い。

 余談になるが、講釈師とか講談といっても、あまりピンとこないかもしれない。

 以前の考察で少し書いたが、江戸時代になると戦争がメッキリ減る。

したがって実戦がほとんど無いわけだから、実戦経験者はいないし、軍法を知る人も減ってくる。

しかし、諸藩は地方軍の役目もあるから、有事の際に、
「戦いかたがわかりません。。。」ではまことに困ったことになるので、その当時は軍法を説いた軍学が大流行したのである。

 軍学には越後流、甲州流、楠木流、いろいろたくさんあるが、しかし戦争がない時代なのだから軍学の善し悪しがわからない。実戦がないのだから、確かめようがないのである。

じゃあ、どんな軍学がはやったのかというと、これは現代の出版業界と同じだ。
学者だとか、有名人であるとか、社会的権威がある人であるとか、そういうのが乗っかった学説や書物がはやりにはやる。その軍学の善し悪し・役に立つのかどうか、嘘か本当かは別にして、すごい勢いで流行するのだ。

おまけに幕府は先生呼ばわりしてチヤホヤするし、それなりの役職を与えたりもするから社会的な権威はさらに上昇し、その軍学はもっともっとはやることになる。
しかも、諸藩もこぞって同じようなことをするから重職で召し抱えられることもザラにある。

 こうして、立派??な軍学者として大成し、食うに困ることもなくなるのであるが、しかし軍学者になりそこねた者も当然出てくる。
途中で挫折してしまったり、社会的な権威がなかったり、運が悪いこともあるだろう。このような者たちが軍学をおもしろおかしく脚色して談話のように話すことを講談といい、それを生業にして生計を立てていた者を講釈師と呼ぶのである。

 
 人間臭くて、あまりきれいな話しではないが、しかし、きれいごとばかりでは済まされないのも古今の常で、生き抜くということは、いつの時代であっても大変なものなのだと、本当に実感させられる。


 いつの時代も、いつの世も、虚実、玉石混合、運不運、まさに混濁だらけの世の中ではあるが、しかし、困難ながらもたくましく成長していく人物の姿ほど、人を感動させるものはないのである。

 これはいつの時代のどの人物でも同じなのである。だから、ぼくは史伝が好きなのだ。

 
 信長の大才

 秀吉の電撃

 家康の重厚

 特に、戦国時代は魅了してやまないのである。


 

 生死に前後あり。

 
 資質に得失あり。


 

 来年もよろしくお願い申し上げます。


                                    2009年12月29日 筆者記す


著者HP http://7daiyamonde.blog60.fc2.com/
メールアドレス hokenpuro@yahoo.co.jp 

テーマ:歴史小説 - ジャンル:小説・文学

【2009/12/29 11:31】 | Ⅲ 賤ヶ岳の衝撃
不如帰 ~戦国武将の幻影~


Ⅰ<覇王編>~逆賊 織田信長を討て!~  Ⅱ<争覇編>~織田家簒奪!秀吉の野望~

不如帰 戦国人物伝


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