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秀吉、覇業へ邁進す Ⅳ



さて、徳川家康はついに上洛する決意を固め、さらさらとその準備に取りかかり、困惑して諫言する重臣たちをよそに飄々と上方に向けて出発した。

 
この時の出来事として、こんな逸話がある。

 徳川家の重臣で、剛毅で知られる本多作左衛門重次は、家康の上洛に大反対であり、いずれ秀吉が必ずや主君に害をなすであろうと思っていた。

そして、ある一計を思いつき、すぐさま行動に移す。


 本多重次は手勢を率いて、まっさきに秀吉の母親の住まう屋敷に向かい、その家のまわりにせっせと大量の薪を運び入れ、その薪を家の外壁にどんどん高々と積み上げていった。

 かがり火も、うんと用意した。


こうして、主君である家康にもしも危険があった場合には、秀吉の母親を焼き殺そうとしたのだという。


 なんとも鬼気迫るような話であり、秀吉に対する恫喝でもあり、また、徳川家中には秀吉に対するどうしようもないほどの不信感があったのであろうが、しかしこれは、
「思考停止の、ひねくれた継子根性まるだしの状態」といってよいであろう。


全国の統一を念願し、天下人を目指している最中の大器量人の秀吉が、家康に対してそんなちんけなことをするはずがないのである。


 しかしながら、この継子根性は笑えない。


 徳川家は、今川義元に徹底的に搾取され、利用され、武田信玄によっていいように騙されて、織田信長に都合よく使われたという経緯がある。

かたくなに頑固で頑迷になってしまうのも、これは仕方がないのかもしれない。



  ところが、家康は、このような家風の中で、家臣たちの心配をよそに、心穏やかに上洛を決意したのであった。


 徳川家康は、今までの経緯、自分のメンツの全てを捨て去り、秀吉に忠実に尽くし切る覚悟を決めたのである。


 ある一説によれば、

「家康はこの時、将来を期して雌伏を決め込んだのである。決して天下取りを諦めたわけではない。」とする見解もあるが、しかし、そんなことは、どうでもよいことなのである。

雌伏であろうとなかろうと、家康の律儀さを深く愛した今川義元、家康に絶大な信頼を寄せた織田信長を想うとき、秀吉がいかに家康の上洛を歓迎し、満面に笑みを浮かべて喜んでいたかがうかがい知れて、深みある興趣を誘うのである。



 そして天正14年(1586年)の10月下旬、家康は供回りを従えて大坂に到り、途中、秀吉の弟である羽柴秀長の手厚い出迎えを受けて諸事歓談し、その後は秀長の館に入っていた。


 この時の家康の心境は、まさに感無量の一言につきるものであったろう。


 ほんのわずかの4年前までは、秀吉は信長の家臣で、織田家の一武将にすぎなかった。それが、またたくまに信長の遺領のほとんどを継承し、今では絶大な勢力と権勢を掌中にし、ときの関白として朝廷の威信をも手に入れて日本に君臨していたのである。

秀吉は金銀をうんと使い、公家衆に働きかけて朝廷から豊臣の姓を下賜され、ついに天皇から信頼されるまでの天下人として振る舞っているのだ。
 

 何事も堅実地道に歩んできた家康にとって、まさに驚嘆すべき事実であったにちがいない。



 ところで、徳川家康公の石碑に刻まれた家訓として、

「人生は重き荷物を背負うて遠い道を行くが如し、焦るべからず、これを常と思えば悔いはなし」 というのがあり、家康公の遺訓として知られているが、、しかしこれは後世の創作であり、家康公自身が語った言葉ではない。


しかしながら、徳川家康の生涯とは、まさに忍従の連続であり、この言葉が家康公の遺訓として根強く伝播してしまうのも仕方がないのかもしれない。

 
 歴史の素人は、秀吉が好きになる。歴史の玄人は、家康が好きになる。というが、本当にそうだ。

 徳川家康公の生涯を細かく調べれば調べるほどに、自然と引き込まれていき、逐一、人生とは、運命とは何かを、常に問いかけられているようで、深く考えさせられてしまうのである。





【2015/05/23 21:25】 | 未分類 | コメント(0)
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