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王覇 信長の後継者 (乱世の英雄と天皇家の野望)

天正16年(1588年)秀吉は後陽成天皇の行幸を仰ぎ、聚楽第への行幸を実現させている。

これにより、天皇家をはじめとする朝廷の権威を擁する秀吉が天下一の大実力者であることがさらに誇示され、全国の群雄らは秀吉の命令を無視できないものとなり、また、果てしのない戦乱の世から平和への招来を感じさせる気運と希望がいっそう高まったのである。

ところで、織田信長は、朝廷の権威を利用はしたが、その利用価値の必要性が感じられなくなると、すぐさま執着することなく捨て去り、
後年、建前の上では次々と官位の拝命を受けてはいるが、しかし、その後は実質的には官位を返上して、朝廷の枠組みを越えて逸脱していくかのような状態になりながらも覇者足りえている。

近世的な直感に優れ、懐疑的に物事をとらえる信長にとって、まやかしごとは大嫌いであり、旧時代の積弊・悪弊を蛇蝎の如く忌み嫌う実際家の現実主義者であり、したがって、実力のともなわない飾り雛的な官位などには全然興味の無いものであった。


こんな逸話がある。

信長が武田家を征伐しての駿河路を通っての帰路の際に、前太政大臣の近衛前久が同道を願い出ると、

「そなたは、木曽路でもとおって帰るがよい。」と、馬上で吐き捨てるようにいったという有名な話しがある。

 朝廷の最高位である前太政大臣閣下に対して、この態度なのだ。

朝廷の権威や官位など、この実際家の野生児には全然興味がないのである。

ちなみに、この逸話は「信長の暴言」ということで有名であるが、しかし史料の原文を詳しく調べると、これは親しい友人だからこそ使われる言葉であり、
どちらかというと暴言というよりも、近衛前久と親しい間柄であったからこそ使った言葉ではなかったかと思われる。

確かに、信長の態度は朝廷の権威を軽視している感はあるが、しかし、近衛前久との人間関係は良好であったように思うのである。


 さて、織田信長と比べて、秀吉のほうが熱心に皇室を崇拝し、朝廷を敬い大切に扱っていたかのように思えるのだが、しかし実はそうではない。
「そうせざるを得ない事情」が秀吉にあったという事が本当のところだろう。

 秀吉は門閥の生まれではない。

 まさに、徒手空拳からの立身出世、異常で異様とも思えるほどの前代未聞の大出世であった。門閥の背景を持たない秀吉が、門閥の国で覇者をめざすことになったのである。


頼りとする血縁に恵まれず、有力な地縁関係も持たない秀吉が覇者足りえるには、秀吉を擁護するカリスマ的な存在が絶対的に必要なはずだったのだ。

秀吉の盤石を期して築き上げていく豊臣政権下において、天皇を中心とする朝廷の権威は必要条件であったはずなのである。

 また、朝廷サイドとしても、秀吉の天下は歓迎すべきものであったに違いない。

 なぜなら、人に仕えてもらうことには慣れていても、人に仕えることを知らない、実に独善的で非人情な天皇家・公家衆にとって、
形式的な儀礼にばかりに終始して、実質的な政治力の無い、軍事力も経済力も皆無の彼らにとって、あくまでも朝廷を崇拝して天皇家を最上位として敬う秀吉を大いに歓迎したに違いないのである。


 私見を書くが、私は、皇室は日本の伝統的な存在であり、日本の歴史的な宝であり、今の現在も日本の貴重な象徴的な存在であると信じる者であるが、
 しかし日本史を歴史的に詳細に考察するときに、天皇家をを中心とする公家衆が歴史的な大問題を続発させて、その結果、その時代の社会的な通念を大混乱させたことも事実である。

一つは荘園制度。

 私は小学生の時に、荘園と聞けば「別荘のような庭園」を想像して、藤原氏が金にものをいわせて別荘地をたくさん作っていたかのようなイメージがあったが、
これはとんでもない錯覚であり、とんでもない間違いであり、この件に関しての問題点は別の章で書いている。思い出していただきたい。


 二つ目は、保元・平治の乱。

 これは日本史上、人倫上の大事件であり、上は天皇家から摂関家、下は平氏・源氏の武士にいたるまで、親子・兄弟が殺し合う凄惨な大事件であり、ことのはじまりが天皇家の権力闘争であったから社会的な影響力は大であったし、とにかく社会的にあらゆる点で、人倫上あらゆる意味で、非常に始末の悪い大事件である。


 三つ目は、承久の乱・建武の新政。

 天皇家・公家衆の特性を知るうえで、なくてはならない事件。

 承久の乱では、後鳥羽上皇は、討幕を決意して官軍を鎌倉に向かわせておきながら、その後、敗報を知るや否や保身に走り、鎌倉方に敗れて敗走してきた官軍の将兵たちは、紙くず同然に見棄てられている。

 後醍醐天皇などは、討幕計画の密謀がもれるたびに、次々と身代わりを強要して罪をまぬがれ、身代わりとなって罪を被せられた数多くの忠臣たちが死んでいる。

楠正成の一族などは、朝廷の勅命によって次々と悲壮な最期を何度となく強要されて、その一族郎党は全滅に近い状態に成り果ててしまったのだ。

後醍醐天皇という人は、時代錯誤もはなはだしい王朝時代の政治を夢見ていた人物であり、討幕の戦功や功績のある武士たちに恩賞を与えず、なんら功績のない朝廷の公家衆や蹴鞠の上手な者たちなどにばらまくように恩賞を与えて、そのあつれきが原因で建武の新政はわずか数年でとん挫している。


  四つ目は、応仁の乱。

 元々が天皇家の皇位継承問題、足利将軍家・公家衆のみにくい家督相続争いが原因であり、しかも始末の悪いことに、上がこうなら下はならえで、守護大名から地方豪族にいたるまで争いが飛び火して大混乱の状態となり、ついに下剋上の戦国時代に突入することになる。


 後年の徳川家康の功績は、どんなアホウでも長男(嫡男)を相続人とすることを制度化したことだ。

 これによって、天下万民のみにくい家督相続争いも激減し、安定的で平和な江戸時代が訪れるのである。

 
 最後に、古来より、天皇を中心とする朝廷(公家衆)は、万民から崇拝される権威を持つ社会的な優位者でありながら、熾烈な権力闘争あり、醜い皇位継承問題あり、親子兄弟が殺し合う凄惨な事件も頻繁に見受けられる。

彼らは、人に仕えてもらうことに慣れており、したがって人に仕えてもらうことが当然のことであり、ゆえに、人に仕える者たちの気持ちに恐ろしく鈍感で、日常的に独善的で非人情な体質になったのであろう。

 
日本史を知るとき、非人情で刻薄で陰険、人を無感動に平然と切り捨てる天皇家・公家衆の体質をあらかじめ知っておくことも、非常に重要な要素なのかもしれない。




【2015/08/08 19:59】 | 未分類 | コメント(0)
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