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コラム 独眼竜 伊達政宗 Ⅲ

 伊達輝宗は数名の供を引き連れて畠山義継の見送りに出たのであるが、
その輝宗の陣屋から表門までは、高々と竹垣でしっかりと作られた狭い通路になっていて、
ほんの一人か二人がやっとのことで並んで通れるかどうかの狭い通路になっている。

その細長い通路を通過して表門まできて、皆々がその門前に出てくると、
義継がゆっくりと振り返り、その場に座し、伊達衆にむかって今日の御礼言上を丁寧に述べるや否や、

だしぬけに突然、いきなり抜刀して輝宗に襲いかかり、輝宗の胸ぐらをしっかりとつかみながら強引に引き寄せ、その胸のあたりに刃を突きつけて人質も同然にしたからたまらない。

また、それに呼応するかのように義継の郎党らも次々と抜刀しはじめ、義継を包囲するかのように守りを固め、用心しながらしきりに威嚇する。

そして、畠山義継一行らは辺りを警戒しながら、輝宗を強引に引き連れて二本松城をめざして歩き急いで行く。


 その場に居合せた輝宗の家臣たちは、このだしぬけの緊急事態に大仰天し、うろたえ、慌て、騒ぎ、 周章狼狽の大混乱の状態となったのであるが、
しかし、かといって手出しもままならずに、ひたすらにおろおろとするばかりで、無念ながら義継一行の後ろをひたひたと追うばかりであった。


 しばらくして、鷹狩に出ていた政宗はこの急報に接し、すぐさま手勢を率いて素早く駆けつけたのであるが、しかし、事態は急だ。このままでは川を渡られて畠山義継の二本松領に入られてしまう。


 政宗はぎりぎりと歯ぎしりし、激憤し、もだえ苦しみ、焦慮し、懊悩し、その顔面に脂汗をびっしりと浮かべながら、


「お家のためだ、仕方がないぞ!」と絶叫し、断腸の思いで突撃命令を下す。

その刹那、伊達勢は恨み骨髄とばかりに弓・鉄砲を速射し、猛然と抜刀しながら畠山勢に肉迫していく。

こうして、畠山勢は一人残らず討ち取られ、義継の遺骸はずたずたになるまで切り裂かれたのであるが、

しかし肝心の輝宗はすでに義継によって何度となく刺されており、無惨な最期を遂げて横たわっていたという。


 さて、この話しは伊達家側の史料によって書いたのであるが、

 しかし、畠山義継側の史料によれば、
輝宗があらかじめ義継を謀殺する算段をしていて、
この時をはずさずに討ち取ってしまおうともくろんでいると勘違いした義継の供の者たちが、これを即座に輝宗との会見中の義継の耳に入れたので、
義継はそのことを聞いて驚き恐れ、このままでは安全に帰城もかなわぬと恐怖し、迷い、錯乱して、
その結果、しまいにはあのような顛末になってしまったので、これは、そもそもが誤解から生じた事件であったという説がある。

また、これは誤解ではなくて、
元々がはじめから輝宗と政宗は共謀して畠山義継を謀殺するつもりであったのが、それに勘付いた義継が、決死の先手を打ったのだとする説もあって、
双方の史料をいろいろと勘案して考察するに、しかし、この事件の様相は全く判然としない、いくら考えても、いっこうに分からんのである。


畠山義継のあのような仕業には、もっともらしい理由がいくら探しても見つからない。


だいたい、降伏したとはいえ、伊達領はまだ危険な敵地であり、そこで油断をついて輝宗を捕えたからといって無事でいられるはずがないのだ。

畠山義継の仕業は、心労で疲れ切って平常心を失い、錯乱して、ついに発狂したのではないかとも思えてしまう。


ここで私見を書くが、

伊達家側の史料には、この事件は畠山義継の暴虐だと言いたげに記されているが、
しかし史料を詳しく検証すると、
事件の経緯に関する記述に不自然な点があり、わざと明言を避けている部分や、肝心なところが曖昧な表現になってぼかされていたり、明らかに他の史料との整合性が合わない部分が散見される。

なにか、言いたくない、書きたくない、隠しておきたい、といったようなニュアンスが感じられる。

畠山義継側の史料にしても、これも同じようなものであり、しかも、こちらは憶測につぐ憶測のオンパレードの記述ばかりで、どこまで信用してよいのか分からないのであるが、

しかし、前章に少しだけ書いたが、

伊達家中にひどく恨まれている者があり、畠山義継がこの者を庇護してかくまっていて、

政宗がこの者の引き渡しを要求するも、畠山義継があくまでもこの者をかばって拒んでいたという説があり、


私は、この者に、何らかのヒントが隠されているような気がして仕方がないのである。

もっとも、政宗が畠山義継と会見している頃には、この者はすでに芦名家を頼って逃亡している(異説あり)。


この者とは、これは、伊達政宗公の伝記に明るい方々であれば、すでにご存知であろう。



【2015/09/10 23:36】 | 未分類 | コメント(0)
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